【委陽】腰と膀胱の働きを支える後膝のツボ

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委陽(いよう)とは
委陽は、足の太陽膀胱経に属する経穴で、膝裏の外側寄り、腱の外縁付近に位置する。
「委」は関節のくぼみを、「陽」は身体の外側・表面を意味し、膝裏にある“陽”の気が集まるポイントとして名付けられている。
腰から足にかけての気血の流れを整えるだけでなく、膀胱機能や泌尿器の不調にも関連があるツボとされる。
効果と応用
主に、腰痛、坐骨神経痛、ふくらはぎの張り、膀胱の違和感や排尿トラブルなどに用いられる。
とくに、足の外側に引きつれや緊張を感じるタイプの腰痛や脚のしびれに適しており、委中とセットで使われることも多い。
また、膀胱の経絡上にあるため、頻尿・残尿感・冷えによる排尿困難といった泌尿器の不調にも応用される。
主な効果
委陽の刺激によって、膝裏〜ふくらはぎの緊張がゆるみ、足腰の巡りが改善される。
特に、外側ハムストリングの過緊張によって起こる歩行時の違和感や、膝裏の突っ張り感に効果を発揮する。
また、泌尿器系の不調と関連するツボでもあるため、寒さやストレスによる頻尿や腰回りのだるさの改善に役立つ。
注意点
膝裏は血管や神経が多く集まる場所なので、押しすぎたり、鋭角に圧をかけるのは避けること。
外側寄りの腱のラインを意識し、心地よいと感じる圧で軽めに押すのが安全。
委中と近いため、セットで施術する場合はそれぞれのツボのポイントを正確に押さえることが大切。
日常生活での活用法
入浴中や入浴後に、膝裏の外側を両手で軽く包み込むように温めるだけでも効果あり。
デスクワークや立ち仕事の後に、膝を軽く曲げた状態で外側をゆっくり押してリリースすると、ふくらはぎの巡りがスッと整いやすい。
ウォーキング前のストレッチや、ハムストリングのケアと合わせて取り入れるのもおすすめ。
現代医学からの評価
委陽の周辺には、外側ハムストリング・膝窩外側の神経・静脈が集中しており、神経と筋膜の連携が強く現れる部位とされる。
現代の施術でも、坐骨神経痛や膝裏外側のトラブル改善の手がかりとして扱われるケースがある。
また、泌尿器系の自律神経反射点としても注目されており、東洋・西洋医学の両面から活用されるツボのひとつ。