【陰陵泉】膝関節と内臓の働きを整える重要なツボ
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陰陵泉(いんりょうせん)とは
足の太陰脾経の第9つぼで、足の内側にある重要な経穴です。
膝の内側、すねの骨(脛骨)の内側面の下端から指2本分下がった部分にあり、腓腸筋の前縁にあたる部位に位置しています。
名称の由来は、「陰」は内側、「陵」は高いところ、「泉」は水が湧き出る様子を表しており、膝の内側の窪みから気が湧き出るような場所という意味が込められています。
取穴方法と位置
膝を軽く曲げた状態で、すねの骨(脛骨)の内側縁に沿って、膝の内側のくぼみ(関節裂隙)から約3寸(およそ指2本分)下方に位置します。
腓腹筋の内側頭の前縁部で、指で触れると柔らかい凹みを感じる部分に取穴します。
主な効能
陰陵泉は膝関節の不調と内臓機能の改善に効果があるとされています。
特に以下のような症状に効果が期待できます。
膝関節痛、膝の腫れ、関節水腫などの膝の症状をはじめ、胃腸の不調、腹痛、下痢、むくみ、食欲不振、消化不良などの内臓の症状にも効果があります。
また、脾臓の働きを整え、全身の水分代謝を改善する作用もあるとされています。
経絡と作用
足の太陰脾経に属する陰陵泉は、脾胃の働きを調整する重要なツボです。
内臓の働きを整え、水分代謝を促進する効果があり、むくみの改善や消化機能の向上に寄与します。
また、膝周辺の気血の巡りを改善し、関節の柔軟性を高める働きもあります。
注意点
妊娠中の方や、重度の膝の損傷がある場合は、刺激を避けるか、必ず専門家に相談してから行うようにしてください。
また、強すぎる刺激は逆効果となる可能性があるため、適度な力加減で行うことが重要です。
日常的なケア方法
膝を軽く曲げた状態で、指の腹を使って優しく円を描くようにマッサージします。
1日2〜3回、各2〜3分程度のケアを目安とします。特に長時間の立ち仕事や歩行後、また胃腸の調子が悪い時に行うと効果的です。
現代医学からの評価
現代医学の研究においても、陰陵泉への刺激が膝関節周囲の血液循環改善や、消化器系の機能調整に効果があることが報告されています。
特に変形性膝関節症や胃腸の機能障害に対する治療効果について、複数の研究で有効性が確認されています。
東洋医学の知恵を活かしたこのツボは、現代の医療においても重要な役割を果たしています。