【胃倉】胃の働きを助け、消化を整える背中のツボ

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胃倉(いそう)とは
胃倉(いそう)は、足の太陽膀胱経に属するツボで、背中の中部に位置します。
第十二胸椎と第一腰椎の間にあり、背骨の中央から外側に約三寸の場所に左右対称で取られます。
このツボは、胃兪の外側に位置し、名のとおり胃に関係する気の集まりを蓄える場所として知られています。
「倉」は貯蔵するという意味があり、東洋医学ではこのツボが胃のエネルギーの貯蔵庫としての役割を果たすと考えられています。
効果と応用
胃倉は、胃腸の不調全般に広く使われるツボです。
とくに、食欲不振、胃もたれ、消化不良、腹部膨満感といった症状に対して効果が期待されます。
また、暴飲暴食やストレスによって胃の機能が乱れたときにも応用され、消化吸収の力を整える調整点として重要視されます。
主な効果
このツボは、消化器系の機能を助けることで、胃の調子を安定させる作用があります。
胃酸の分泌や消化運動のバランスを整え、胃の不快感やむかつき、膨満感をやわらげる効果があります。
さらに、脾胃の気虚による倦怠感やエネルギー不足にも応用され、体全体の活力を補う目的でも使われます。
胃の状態が良くなることで、全身の気の巡りもスムーズになると考えられています。
注意点
胃倉は背中のやや下の部位に位置し、肋骨や腰まわりの筋肉と重なるため、強い圧をかけると違和感や痛みを生じる場合があります。
とくに、胃腸の不調が慢性化しているときや、炎症をともなうような状態では、刺激によって悪化することもあるため注意が必要です。
施術やセルフケアの際には、短時間で優しく、呼吸に合わせてゆったりと刺激を与えるようにしましょう。
日常生活での活用法
胃倉は、食べすぎた後や胃が重く感じるときに温めてあげるだけでも効果的です。
蒸しタオルやカイロを背中の胃の位置に軽く当て、深呼吸をしながら休むことで、胃の緊張がやわらぎます。
また、寝る前や入浴後などリラックスした時間に、背中を伸ばすようなストレッチを行うと、自然とこのツボのあたりも緩みやすくなります。
冷えによる胃腸トラブルにも対応しやすいため、日常的に使えるケアポイントです。
現代医学からの評価
胃倉のある位置には、胃を支える筋肉や神経が関わっており、消化機能と関連する自律神経の通り道とも重なります。
このため、背部からの適切な刺激が副交感神経の働きを活性化させ、胃の動きを促す可能性があります。
また、ストレスによる胃の不調に対しても、背中を緩めることで緊張をほどき、心身両面の調整につながるとする見方もあります。