【通天】鼻の不調や頭重感をやわらげる頭部のツボ

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通天(つうてん)とは
通天は、頭のてっぺん付近に位置するツボで、正中線(頭の真ん中)上にある百会というツボから、左右に指約1本半ほど外側にある場所にあります。
前髪の生え際からは、だいたい指4本分ほど上にあたるエリアで、左右に一つずつあります。
このツボは手の太陽膀胱経に属し、頭部の不調や鼻まわりの症状に関係が深いとされるポイントです。
名前の通り「天(=上部)を通す」働きがあると考えられており、頭や鼻の通りを良くするような効果が期待されています。
効果と応用
通天は、特に鼻づまりや副鼻腔の違和感など、鼻まわりのトラブルに効果があるとされています。
花粉症やアレルギー性鼻炎で呼吸がしづらいときなどに、このツボを刺激すると、鼻の通りがスッとよくなるような感覚を得られることがあります。
また、頭が重い、ぼーっとする、疲れが抜けないといった、頭部のだるさやモヤモヤ感にも活用されるツボです。
デスクワークやスマートフォンの見すぎで感じる疲労感にもアプローチできるため、現代人にとっては頼もしい存在です。
主な効果
通天がもたらすとされる効果は、頭部の血流を促し、滞っている気や血の巡りを整えることによるものです。
鼻づまりや頭重感に加え、めまいや集中力の低下、耳の詰まり感など、頭部まわりに広く関係する不調のケアに使われることがあります。
また、頭皮の血行を良くすることで、抜け毛や白髪の予防といった美容的な目的で取り入れられることもあります。
頭のこりをほぐし、気分をリフレッシュさせたいときにもおすすめです。
注意点
通天は頭部というデリケートな場所にあるため、強く押しすぎたり、長時間刺激を続けるのは避けましょう。
優しく、心地よい程度の圧で十分に効果が得られるツボなので、無理をせず丁寧にケアすることが大切です。
また、高血圧の方や、頭痛の種類によっては逆効果になることもあるため、不調が続く場合は専門家に相談するのが安心です。
日常生活での活用法
通天は、両手の中指や薬指を使って自分でも簡単に刺激することができます。
左右のツボを同時に、軽く円を描くようにマッサージしたり、息を吐きながらゆっくりと3〜5秒押してみましょう。
朝の頭の重だるさを感じるときや、仕事や勉強の合間に気分をリセットしたいときなどに取り入れると、すっきり感が得られやすくなります。
髪の毛の上からでも優しく触れればOKなので、日常的なセルフケアにぴったりです。
現代医学からの評価
近年では、頭皮への刺激が自律神経のバランスを整えたり、リラクゼーションに効果があるという研究も報告されています。
通天のようなツボは、緊張状態が続いたときに副交感神経を優位にし、リラックスした状態へ導くサポートにもなると考えられています。
東洋医学の長い歴史の中で使われてきた通天のようなツボは、現代の疲れやストレス社会にもマッチする、知恵と実践の結晶といえる存在です。