【天泉】肩・腕・心をゆるめる、上半身を癒す穏やかなツボ

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天泉(てんせん)とは
天泉(てんせん)は、上腕の内側、ひじと肩の中間あたりにあるツボです。
腕を自然におろした状態で、上腕二頭筋の内側縁をたどると、軽くへこむポイントがあり、そこが天泉です。
このツボは手の少陰心経に属しており、「天」は天の気、「泉」は泉のように湧き出るエネルギーを意味します。
つまり、心のエネルギーが泉のように湧き出す場所として、精神と肉体の調和に深く関わるツボとされています。
効果と応用
天泉は、腕や肩まわりの疲れ、だるさ、こわばりに加え、精神的な緊張や不安感の軽減にも使われるツボです。
手の少陰心経に属しているため、心のバランスや血の流れにも作用し、動悸や不眠などの心身の乱れにも応用されます。
また、肩〜腕の経絡の流れを整えることで、筋肉疲労や痛みの軽減にも役立ちます。
主な効果
天泉の刺激により、上腕から肩にかけての血行が改善され、こりや痛みがやわらぎます。
精神面では、心経に作用することで不安感の軽減やリラックス効果が得られやすくなり、睡眠の質の改善にもつながるとされています。
また、手や指の冷え、腕のだるさやしびれの改善にもつながることがあります。
注意点
天泉は筋肉のやや深い位置にあり、強すぎる圧での刺激は避けるべきです。
圧をかけたときに痛みやしびれを感じる場合は、指圧を中止し、軽くなでる程度の刺激にとどめてください。
血圧や心臓に関わる既往歴のある方は、使用前に専門家に相談することが推奨されます。
日常生活での活用法
デスクワークや家事で腕や肩がこったとき、リラックスした姿勢で天泉を親指で軽く押してみてください。
10秒ほどキープし、ゆっくり離す動作を左右交互に3回ずつ繰り返すことで、肩の緊張がふわっとゆるみやすくなります。
就寝前に軽く刺激すると、精神的な落ち着きも得やすく、深い眠りに入りやすくなるとされています。
現代医学からの評価
天泉のある上腕内側は、上腕動脈や正中神経の走行部に近く、筋肉・血管・神経が集まる部位です。
この周囲をやさしく刺激することで、腕の血流改善や末梢神経のリラックス効果、自律神経系への穏やかな作用があると考えられています。
また、胸部との連携により、心臓まわりの緊張を緩める作用や、呼吸を深くする効果も臨床的に注目されています。