【鳩尾】胸とみぞおちの詰まりを解き放つ要のツボ

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鳩尾(きゅうび)とは
鳩尾は、任脈に属する経穴で、胸骨の下端、剣状突起の下のくぼみ(みぞおちの中央)に位置している。
「鳩尾」はその名の通り、鳩の胸のように少し突き出た部分を意味し、心と胃の気が交差する要所として古くから重要視されてきた。
胸と腹の境目に位置し、感情やストレス、胃の不調などが集まりやすいエリアである。
効果と応用
鳩尾は、みぞおちのつかえ、吐き気、胸焼け、咳、呼吸のしづらさ、不安感などに対して使われる。
また、怒りや緊張によって胸や胃が固くなるタイプの精神的なストレス症状にも応用される。
感情と消化・呼吸をつなぐ要所であり、東洋医学では“心をゆるめ胃を開く”ツボとして位置づけられている。
主な効果
鳩尾の刺激によって、胸と腹の間にこもった緊張や熱を解放し、気の流れを通す効果がある。
とくに、みぞおちが重い、深呼吸しづらい、イライラや不安がたまりやすい人に適している。
また、消化器と呼吸器の両方に作用することで、ストレスによる胃痛や、過呼吸の予防・緩和にもつながる。
注意点
鳩尾は内臓に近く、デリケートな部位なので、強い圧迫や急な刺激は避けるのが基本。
食後すぐや、胃の不快感があるときは刺激せず、まずは十分に休む・温めるといったケアを優先する。
セルフケアでは、指先で軽く触れたり、呼吸に合わせて手を添える程度で十分な効果がある。
日常生活での活用法
気分が落ち着かないときや呼吸が浅く感じるときは、みぞおちに両手をそっと置いて深く呼吸をしてみると、自然に鳩尾がゆるんでくる。
ストレスを感じやすい日は、蒸しタオルやホットパックで鳩尾を温めるだけでも、胃と胸の巡りが回復しやすくなる。
また、ヨガや瞑想で**“呼吸をお腹に落とす”**際には、このツボのあたりを意識すると効果が深まる。
現代医学からの評価
鳩尾の位置は、剣状突起下・横隔膜・胃上部・太陽神経叢(腹腔神経叢)に近接しており、自律神経の要所とされている。
この部位は、ストレスや不安によって反応しやすいエリアであり、精神的緊張が身体症状として現れやすい。
現代医学においても、みぞおち周辺はストレス管理や呼吸トレーニングの起点として重要視されており、東洋と西洋の知見が交わるポイントとなっている。