【風門】風邪の侵入を防ぐ背中の守りのツボ

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風門(ふうもん)とは
風門は、背中の上部にある経穴で、「風の門」と書く通り、外からの風邪(ふうじゃ)が体に入る出入口とされるツボです。
具体的な位置は、第2胸椎の下、背骨の左右外側にあり、肩甲骨の内側のあたりに左右一対で存在します。
東洋医学では、風邪や寒さなどの外的な邪気は、この風門から体内に入りこむと考えられています。
そのため、このツボは季節の変わり目や体調が崩れやすいときに守っておきたいポイントです。
効果と応用
風門は主に、風邪の初期症状に働きかけるツボとして知られています。
ぞくぞくと寒気がする、首や肩のこりが出てきた、背中が重だるいというときに風門を刺激することで、体の内側にこもりそうな風邪の邪気を外へ追い出すサポートをします。
また、肩甲骨まわりの筋肉に近いため、肩こりや背中の緊張をやわらげる目的でも活用されます。
気の流れや血の巡りが滞りやすい場所でもあるので、普段からこのあたりが冷えやすい人は、ケアしておくと不調の予防になります。
主な効果
風邪のひきはじめに生じる寒気や発熱、のどの違和感、鼻水など、初期症状に働きかけるのが特徴です。
背中や肩のこりに対しても効果が期待でき、冷えや血行不良による不調を緩和するために使われることもあります。
免疫のバランスを整える意味でも、日常的なケアに向いているツボです。
注意点
風門は首に近いデリケートな位置にあるため、刺激の強さには注意が必要です。
押すというよりは、温めたり軽くなでたりするような穏やかな方法が適しています。
特に熱があるときや、強い炎症があるときには無理に刺激を加えないようにしましょう。
また、風邪の症状が進んでいる場合は、無理にツボだけで治そうとせず、適切な医療との併用が大切です。
日常生活での活用法
寒い日に背中がスースーする、ぞくっとする、という感覚があったら、風門の位置にカイロを貼るのがとても効果的です。
首元の内側や肩甲骨の間に軽く温かいものを当てるだけで、身体が芯から温まり、風邪の侵入を防ぎやすくなります。
また、お風呂でゆっくり温まったあとに、タオルで背中を優しくふいて、乾燥と冷えを防ぐことも、風門のケアにつながります。
着るものを一枚足すだけでもこの部分の防御力は大きく変わります。
現代医学からの評価
現代医学においても、風門のある肩甲骨内側付近は自律神経が集中するゾーンであり、ここを温めることで副交感神経が優位になりやすいという報告があります。
その結果、免疫機能の働きが安定し、風邪の予防や回復を助けるといった作用が期待されています。
また、肩甲骨周辺の筋肉はデスクワークやストレスでこわばりやすいため、この部分をほぐすことで血流が改善され、肩こりや背中の疲れの解消にもつながります。
風門は、東洋医学と現代医学の双方から見ても、冷えと風邪に立ち向かうための重要な守りのツボといえるでしょう。