【上星】鼻・頭・心を清める前頭部の浄化ツボ

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上星(じょうせい)とは
上星は、督脈に属する経穴で、前髪の生え際から後方へ約1寸(およそ指1本分)入った正中線上に位置する。
「上」は高いところ、「星」は天の光を意味し、“天に届く気の集まるところ”という意味合いを持つ頭部の浄化点とされる。
督脈は全身の陽気を統括する経脈であり、上星はその前頭部における要所として、鼻づまり・頭痛・精神的な停滞感などをリセットするツボとして使われてきた。
効果と応用
上星は、鼻づまり、花粉症、頭痛、額の重さ、集中力低下、眠気、精神の停滞感などに用いられる。
特に、鼻腔の通りが悪くなる症状や、頭の前方が重く感じるような感覚に対して即効性が期待される。
また、脳疲労・気分の曇り・モヤモヤ感の払拭にも用いられ、瞑想や内観にも適したツボとして評価されている。
主な効果
上星は、鼻・額・前頭部の“気の滞り”を解き、呼吸と意識をクリアにする効果がある。
とくに、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎による鼻づまり、前頭部の重だるさ、ぼんやり感のリリースポイントとして有効。
さらに、督脈上にあることから、脳の活動と精神の安定に関わる気の上昇・下降の調整点でもある。
注意点
頭部の皮膚はデリケートで刺激が伝わりやすいため、強く押し込むよりもやさしく撫でるような刺激が基本。
鼻炎や風邪の症状があるときは、他の鼻まわりのツボ(迎香や印堂など)と併用することで効果が高まりやすい。
敏感体質の人は、強く触れると頭痛やめまいが出る場合があるので注意。
日常生活での活用法
鼻づまりがあるときや、頭がぼんやりしているときには、前髪の生え際から指1本分奥を軽くマッサージするだけでもスッキリ感が出る。
また、目を閉じて静かに座った状態で、上星に軽く指を当てて呼吸を整えると、脳と心のクールダウンに効果的。
入浴中や寝る前など、自律神経を整えたいときに“額の奥をひらく”イメージで意識を向けると、心身がリセットされやすくなる。
現代医学からの評価
上星の部位は、前頭筋・前頭骨・三叉神経第一枝・前頭洞付近に重なっており、鼻腔の通気性・副鼻腔の炎症・自律神経の調整に関わる反応点でもある。
とくに、鼻炎や眼精疲労による前頭部の緊張を和らげる目的で、リラクゼーションや鍼灸・指圧において活用されているツボ。
また、前頭前野や視床下部の活性と関連付けられることもあり、精神面の切り替えポイントとしても注目されている。