【譩譆】深い息と首肩の緊張をほどく、静かな背中のツボ

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譩譆(いき)とは
譩譆(いき)は、足の太陽膀胱経に属する背中のツボです。
第六胸椎と第七胸椎の間にあり、背骨から外側に三寸の位置に左右対称で取ります。
「譩譆」という文字は、ためいきやうめき声の意味を持ち、古くは呼吸と感情の結びつきを示すツボとして使われてきました。
首や背中の筋肉に関連しながらも、深い呼吸や情緒の滞りに働きかけるとされるのが特徴です。
効果と応用
このツボは、呼吸が浅くなっているときや、胸がつかえるような感覚に対して使われます。
また、首や肩に力が入りやすい人や、緊張から呼吸が乱れがちな人に対して、穏やかに働くポイントです。
姿勢の崩れや情緒の不安定さにも間接的に応用されることがあります。
主な効果
呼吸が浅くなることで引き起こされる胸部や頸部のこわばりに対して、譩譆はゆるやかに働きかけます。
首筋や肩の重さ、姿勢の悪化からくる違和感をやわらげる助けになります。
背中の緊張がほどけることで、自然と呼吸が深まり、精神面にも落ち着きが戻るとされています。
注意点
このツボは深部にあるため、無理に押し込むような刺激は禁物です。
特に呼吸器に疾患がある人や、慢性的な肩の痛みを抱えている人は、専門家による判断を仰いでください。
背中にあるため、自分で正確に押すことは難しく、無理な姿勢での刺激は避けるべきです。
日常生活での活用法
蒸しタオルなどで背中を温めるだけでも、譩譆のまわりの筋肉はやわらぎやすくなります。
背もたれにもたれて、深呼吸を繰り返すような姿勢を取ることでも、自然とこのツボに刺激が届きます。
日々の緊張を感じたときや、息苦しさを感じたときに、自分をリセットするきっかけとして取り入れると効果的です。
現代医学からの評価
解剖学的には、譩譆のまわりには僧帽筋や肩甲骨内側の筋肉があり、緊張によって血行が悪くなりやすい部位です。
この周辺をほぐすことで、筋肉のこわばりが和らぎ、呼吸や自律神経の働きにも間接的に良い影響があると考えられています。
ツボという概念を超えて、身体と心のバランスを整える場所として見直されつつあります。