【中髎】骨盤内の調和を保ち、腰と下肢を支える中心ツボ

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中髎(ちゅうりょう)とは
中髎(ちゅうりょう)は、足の太陽膀胱経に属するツボです。
仙骨部の第3後仙骨孔の上に、背骨の両側に左右対称で取ります。
「髎」は骨のくぼみを指し、「中」はその中間にあることを示しており、仙骨に並ぶ髎穴のちょうど中央に位置するツボです。
仙骨まわりの血流や神経活動に関与し、骨盤内臓器や下半身全体の調整に関わる重要なポイントとされています。
効果と応用
このツボは、泌尿器や婦人科系の不調、腰の重だるさ、足のしびれなど、骨盤下部から足にかけての症状に幅広く応用されます。
とくに、月経痛や月経不順、頻尿、排尿困難といった状態に対して使われ、骨盤内の巡りを整えるために重用されます。
また、長時間の立ち仕事や座位による腰のこわばりにも効果が期待されます。
主な効果
中髎は、仙骨神経の通り道にあるため、下腹部・腰・下肢の連携を整えるように働きます。
足腰のだるさや、腰の張りが抜けにくいときに、このツボを中心としたケアを行うことで、めぐりがスムーズになります。
また、婦人科系の調整にも効果的とされ、生理に伴う諸症状や骨盤の冷えにも使われます。
便秘や下痢といった腸の不調にも応用されるケースがあります。
注意点
中髎は深部にあるツボで、周囲に神経が多く集まっているため、刺激は弱めかつ短時間で行うのが安全です。
骨盤内に強い違和感があるときや、泌尿器系の症状が慢性的な場合は、無理に自己刺激をせず、施術者に任せるのが望ましいです。
また、長時間の圧迫や冷えがあると、ツボまわりが過敏になることもあるため、事前の温めが有効です。
日常生活での活用法
腰まわりの疲労を感じたときや、冷えを感じたときに、蒸しタオルやカイロで仙骨の中央あたりを温めると、中髎を含む髎穴全体がゆるみます。
椅子に深く腰かけた状態で、腰を前後にやさしく動かすストレッチを行うことで、このツボまわりの筋肉や靭帯の緊張が緩和されます。
とくに入浴後や寝る前のタイミングに取り入れると、骨盤内の巡りを整える助けになります。
現代医学からの評価
中髎の位置には、仙骨神経叢が通っており、排尿・排便・生殖器のはたらきと密接に関係する神経の出発点でもあります。
このため、ツボの周囲を穏やかにケアすることで、神経系のリラックスや骨盤内の血流改善につながる可能性があります。
婦人科系のセルフケアや、慢性的な腰・骨盤の不調に対する補助的なケアとしても注目されています。